フランスのことわざ
ボンジュー ムッシュー サバ⁉︎
この「ことわざ」らしき事についてフランスでムッシューやマダム 会う人会う人に聞いてみましたが 靴屋なのに知らない人もいたので 残念ながらフランスの ことわざではないようです。
写真の靴はHardrige アードゥリージュ お客様から 修理依頼があったものです。
モデル#Louis(新品)
同モデル 修理依頼品
シューツリーは入れっぱなしではない派 お客様は足の幅が広いのでどんな靴でも原型から型が変わってしまうのが悩み
モデル#Gerald(新品)
同モデル 修理依頼品
同モデル 私物
お客様より私の方が使用年数は 多分倍ほどの期間は6年以上ほど履いております(私のはバイカラーですが濃い方の革は全く同じものです) トップリフトは2度張替え済
私はちなみにシューツリーは入れっぱなし派です。
お客様は修理に出すつもりだったのでしばらく?放置していたと やはり無残な姿…になっています…
色々な意見あるようですが私はシューツリー 入れっぱなしがおススメです。
「Shoe Tree」なので 木製 純正かどうかは、こだわらなくても良いかと思います。
左:着用前 右:修理依頼品
緑色⇒部分がヒールブロック部分 赤色⇒部分がトップリフト
写真だと既にかかと部分のトップリフトが減ってなくなっており ヒールブロックがキズついています。
この状態は 見た目は非常に悪い 足にも悪影響 修理代が余計にかかる 全く良い事無し。
これ以上放置して履いていると極端にいえば靴ではなくなります。
ヒールブロックが削れる前に 消耗品と割り切って必ずトップリフトを交換しなければなりません。
更にまずいのがこの爪先部分 このモデルはノルウィージャンウエルテッド製法ですが 黄色⇒部分のウエルトがかなり悲惨な状況になっていて これ以上ウエルトが劣化すると このウエルトで止めている底が剥がれてしまいます
製法で1番大事なウエルトを交換しなければならず 修理も大変になります。
コバ(漢字だと木端と書きますが革の断面です)もかなり悲惨な状態 コバはいわば靴本体アッパー甲を守る 車のバンパーと同じ役目。
素材は革ですので靴本体と同じ汚れ落としとクリームでの手入れは必要
補色は私は写真のチューブタイプの物 顔料を使っています。
いわゆるコバインクは 塗るパーツがフェルトの固まりやブラシのようなものなので インクの量が難しく 私のような不器用な人間にはとても使い勝手が悪く 結果インクを塗り過ぎ悲惨な事なりました。
これは色種類も多く 布にほんのすこしづつ出して塗り重ねれば 失敗することはほとんどありませんのでおススメです。
私は 歩く癖で爪先特に右足のほうが削れてしまいます
その都度これで補色してましたが やはり履き込んでいくとウエルトまで削れるようになってしまいました。
※トゥスティールです ※ゴムです
解決方法として 最初にトゥスティールをつけてみました。金属なので履くと違和感があり 場所によって引っかかります。
次にゴムを試してみました。ゴムの方が馴染み低価格で良いのですが金属に比べ劣化しやすいのがデメリットでした。
Caulaincourt(コーランクール) アレクシーは私が履いているつま先のゴムを見て これはダメだと ゴムは劣化するので張替が必要になり、その交換時につま先の革がまたダメージを受けるので(糊で接着しているので) 結果的に費用が余計にかかるのだと
私がこの経緯を説明すると OK! TOM 俺に任せてくれと
写真のように取り付けてくれました。
※右側:私がつけた方が大きい
※ALEXIS取り付け ※私が取り付けたもの
このトゥースティール自体が私が取り付けたものと比べ小さい
取り付け方もわずか数ミリの違いですが 完全に底に埋込んであり履き続けても滑りもない 引っかからない 床も傷つかない 音もしない 全く違和感がありませんでした。
私が最初に付けたトゥスティールは 埋込が足りなかったようでした
それから私はお客様にも トゥスティールをお勧めするようになりました。
日本で靴の職人さんと話しをしてこんな事を聞きました。
この頃は若い子達がネットオークション フリマで 靴を落札し持ち込み修理依頼が増えている。
まぁ普通で買ったら10万円は優に超えるし そもそも日本に入荷するのが激減しているので仕方ないかと思うと
反面 状態が悪くても値段で落札してしまう。やはり安かろう悪かろうで 修理代の方が商品の落札価格よりはるかに高くなったり
新品買った方がよいほどの修理不可能な物も持ち込まれるそうで酷いものだと
なんとかしたい職人さんも流石に対応に困ってしまうと…
やはり失敗と投資は必要か… ⁈
良い靴を履いて幸せになりましょう!!
メルスィー オバ!
créme la de crème
TOM